第32回日本口腔・咽頭科学会総会ならびに学術講演会

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ご挨拶

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会長ご挨拶

会長ご挨拶

第32回
日本口腔・咽頭科学会
総会ならびに学術講演会

会長 鈴木 正志(大分大学医学部耳鼻咽喉科学講座)

第32回日本口腔・咽頭科学会総会ならびに学術講演会を私共大分大学医学部耳鼻咽喉科学教室が担当させていただくことになり、教室員一同誠に光栄に存じます。会長にご指名いただきました吉原俊雄前理事長、そして学会準備にあたりご指導・ご支援賜りました三輪高喜理事長をはじめ学会役員の皆様および会員の皆様に心より感謝申し上げます。


さて本学会が大分県で開催されるのは、平成7年に前任の茂木五郎教授が別府市で第8回を担当して以来2回目24年ぶりのことになります。その時私は医局長を務めており学会の事務局を任され、多くの皆様のご参加を得て活発なご討議がなされ、無事に会が終了した時に安堵したことを思い出します。今回も参加される皆様にとりまして実り多い学会となるよう、また滞りなく学会が成功裏に終えられるよう、これまで多くの先生方のご協力を仰ぎ鋭意準備して参りました。


今回のテーマは「生命維持とQOL向上に貢献する口腔・咽頭科診療」としましたが、日本耳鼻咽喉科学会の関連する学会としての本学会の重要性を鑑みると、むしろこれは学会のキャッチコピーに相応しいのかもしれません。この認識にたってプログラムの作成・構成を行なったつもりではありますが、内容につきましては皆様のご批評を仰ぎたいと存じます。口腔・咽頭は飲食の出発点であります。特別講演1では三和酒類(株)の古屋浩二氏に「土地が育むワインの楽しさ~日本一への道のり~」と題してワインの楽しさ・素晴らしさについて語っていただき、特別講演2では順天堂大学の竹田和由先生に「身体を守る免疫の話:乳酸菌とNK細胞」と題して乳酸菌飲料の有用性や魅力に触れていただけるものと思います。頭頸部領域では、ロボット支援手術でご高名な米国アリゾナ大学のSteven J. Wang先生に海外招聘講演「Trans-Oral Robotic Surgery: Indications, Tips, and Future Applications」をお願いしました。また口腔・咽頭癌でも大きく重要性を増しつつある化学療法に焦点を当て、国立がん研究センター東病院の田原 信先生に司会をお願いし「口腔・咽頭癌に対するがん薬物療法の現在と今後の展望」を企画しました。パネルディスカッション1では、本学会の柱の1つである睡眠に関して「睡眠医療の新展開〜新たな可能性〜」というテーマで睡眠医療の広がりを期待しつつ、司会を三輪高喜理事長、名古屋市立大学の中山明峰先生にお願いしました。またパネルディスカッション2では、これもまた本学会の外せない領域である嚥下に関し「嚥下障害の診断から治療へのプロセス」というテーマを設定し、高知大学の兵頭政光先生に嚥下治療の流れがよく理解できるように司会をお願いしました。イヴニングセミナーでは、日本医大の松延 毅先生に「唾液腺腫脹診療における新知見」を担当していただきます。教育セミナーでは、大分大学病理学講座の駄阿 勉先生に「唾液腺腫瘍の病理診断」、国立成育医療研究センターの守本倫子先生に「小児の口腔咽頭疾患」、旭川医大の高原 幹先生に「扁桃病巣疾患の最近のトピックス」をそれぞれお話しいただきます。そして専門医共通講習「医療安全管理の実際」を大分大医療安全部の平松和史先生にお願いしています。その他にランチョンセミナーを4題企画しました。以上の特別企画により会員の先生方に口腔・咽頭科学についての最新の知見、臨床、研究に有用な情報を提供できることを切に願っております。しかし、学会の学術講演会においては会員による一般演題が主役であることは申すまでもありません。したがって、今回は限られた時間の中で可能な限り特別企画と一般演題が重複しないように致しました。


ポスターにある写真は大分市にある西洋医術発祥記念像です。大友宗麟時代、イエズス会宣教師であったポルトガル人ルイス・デ・アルメイダは私財を投じて乳児院や総合病院を建てました。これが日本初の育児施設や病院であり、西洋医学が初めて導入された記念の像です。この大分の地で再び本学会が開催できることは意義深いことと思っています。大分は古くは「豊のくに」と呼ばれ、豊富な山海の食材、多くの温泉に恵まれています。9月の大分市は残暑と台風が若干心配されますが、大分の豊かさを是非満喫していただければと思います。どうぞ、万障お繰り合わせの上、ご参加下さいますようお願い申し上げます。